気候変動と私たちの暮らし

地域で取り組む気候変動への「適応」

気候変動と私たちの暮らし

この図は、気候変動による気候・自然的要素の変化(最上段)が、どのような影響経路を通じて私たちの暮らしに影響を及ぼすのかを整理したものです。
気候変動により、雨の降り方が変化したり海面水位が上昇したりするなど、自然環境の変化が起きています。こうした変化は、自然の生態系や水資源に影響を与えるだけでなく、農業・林業・水産業、都市生活、健康、災害リスクなど様々な分野に広がります。例えば、農作物が育ちにくくなったり、熱中症などの健康被害が増えたりすることもあります。これらの状況は、国民の生活や社会活動にも深く関わって行きます。

詳しく調べるためのキーワード

●気候変動影響評価報告書
●気候変動適応法
●気候変動 日本 環境省
●自然災害 気候変動
●水資源 気候変動

出典・リンク

気候変動適応情報プラットフォーム A-PLAT
●環境省:気候変動影響評価報告書
●環境省 審議会資料(令和2年・総説)
●日本気象庁(日本の気候変動)

日本の降水状況

この図は、日本で「1時間に50mm以上の激しい雨」が降る回数がどれくらい増えているかを示したものです。かつて(1976~1985年)は1年に平均226回ほどでしたが、最近10年間(2012~2021年)では1年に平均327回と大きく増えています。
気温上昇などの気候変動が原因と考えられており、その結果、集中豪雨による川の氾濫,低い土地の浸水(内水氾濫)や土砂災害などの水害が増えています。

詳しく調べるためのキーワード

●1時間降水量50mm発生回数
●水害レポート 国土交通省
●気候変動 大雨 統計
●ゲリラ豪雨
●線状降水帯
●集中豪雨

出典・リンク

●気象庁「雨の強さと降り方」
●国土交通省「水害レポート2021PDF)」
●気象庁「大雨や猛暑日など(極端現象)のこれまでの変化」
●気象庁「降水」解説・気候変動レポート
●国土交通省 気候変動に伴う災害の激甚化・頻発化
防災・減災のススメ(応用地質)2025-2026年版 PDF

岐阜県主流流域における洪水・規模頻度

この図は、地球温暖化が進むことで岐阜県内の主要な川で「大きな洪水」の頻度がどれだけ増えるかについて岐阜大学の研究グループと岐阜県が分析した結果を示したものです。今までは100年に1度起こるような大洪水が、将来は2倍や3倍の頻度(例えば、30〜50年ごと)で起きる可能性があります。これは温暖化で雨の降り方が激しくなり、川があふれやすくなるためで、地域の防災への備えがますます大切になることを表しています。日本全国を対象にした分析の結果でも、産業革命以前より+2℃温暖化が進んだ条件下では、洪水の流量は1.2倍、洪水の頻度は2.0倍程度になると評価されており、岐阜県での分析結果と同様の結果となっています。
今後さらに温暖化が進むと、豪雨・洪水もより激しくなることが予想されています。これは、日本で暮らす人口の多くが河川の氾濫原(河川が氾濫した際に水に浸かる土地)に暮らしているため、洪水が激しくなると日本で安全に暮らせる土地がなくなっていくことを意味します。温暖化対策への取組は、安心して日本で暮らしていくために非常に重要です。

詳しく調べるためのキーワード

●岐阜県 洪水リスク 気候変動
●気候変動影響評価 岐阜大学
●流域治水 気候変動
●災害の激甚化・頻発化(げきじんか・ひんぱつか)
●水災害リスク

出典・リンク

●安心な暮らしのヒントブック@ぎふ
●岐阜大学 地域環境変動適応研究センターインタビュー(長良川と気候変動)
●国土交通省「気候変動を踏まえた水災害対策検討小委員会」

流域治水

この図は、「流域治水」という新しい水防災の考え方を説明したものです。
これまでの治水は堤防やダムで河川の氾濫を防ぐ方法が中心でしたが、近年は気候変動の影響で大雨や水害が増えているため、川だけでなく、流域全体(集水域・河川区域・氾濫域)で多くの人たちが協力して、被害を減らす様々な工夫を行う「流域治水」の取り組みが始まっています。
例えば、集水域のダム・ため池や土地の改良で洪水を減らす、河川区域で堤防強化や川幅拡張で被害を抑える、氾濫域となる危険な場所に住まない、早く避難するなど「被害を減らす」工夫などがあります。自治体や企業、住民などがみんなで協力して、災害の被害を最小限にする新しい防災の考え方です。

詳しく調べるためのキーワード

●流域治水
●水災害リスク
●気候変動 治水対策
●グリーンインフラ

出典・リンク

●国土交通省「流域治水プロジェクト」公式解説
●「流域治水の基本的な考え方」(PDF教材)
●国土交通省 近畿地方流域治水学習ページ
●環境省「流域治水について」説明PDF
●NHK防災「流域治水とは?」

地球温暖化とその影響

近年、日本では、平均気温が着実に上がっています。特に過去5年間の気温が歴代でも最も高い傾向にあり、このまま気温上昇が続くと熱中症などの健康被害や農作物の品質低下、収穫時期のズレなど生活や社会へのさまざまな影響が出てきます。
また、四季の巡りにも変化が見られ、桜の開花や紅葉の時期がずれるなど、身近な自然現象にも影響がでてきます。とくに農作物は、気候の変化、四季の巡りの変化を直接受けることから、私たちの食卓にも温暖化の影響が及び始めているといえます。

詳しく調べるためのキーワード

●気候変動 四季 変化
●温暖化 影響 農業
●温暖化 食料安全保障

出典・リンク

●気象庁「日本の年平均気温」
●気候変動適応情報プラットフォーム A-PLAT
●デコ活(環境省)「日本の気候に起きている変化とその影響」
●農業と温暖化の関係(マイナビ農業)
●岐阜県気候変動適応センター(県の気候対策・情報)

世界農業遺産「清流長良川の鮎」

多くの清流が流れる岐阜のシンボルフィッシュであるアユ。世界農業遺産「清流長良川の鮎」は、長良川流域の生態系や流域に暮らす人々の伝統文化やなりわいなども含めて認定されたものです。アユは、清らかな水、里山の自然、人の暮らしが深くつながった長良川の恵みの一つであり、観光・食・産業でも大切な役割を果たしています。しかし、アユは一年の生涯を川と海で暮らす回遊魚であり、その生態には水温が深く関わっています。温暖化による水温上昇や洪水、渇水の影響は、アユだけでなく河川の生態系や川の恵みを受ける産業にも及んでいることが懸念されることから、岐阜大学の研究者・地域の関係者・岐阜県が協力して、温暖化の影響とこれに対する適応策について分析を進めてきました。

詳しく調べるためのキーワード

●長良川アユ 温暖化影響
●世界農業遺産 長良川
●アユ 生態系サービス 気候変動
●長良川 観光 経済 効果
●河川 水温上昇 温暖化

出典・リンク

●岐阜県「世界農業遺産 清流長良川の鮎」公式解説
●岐阜大学・地域研究成果(アユの生態と温暖化)
●環境省 気候変動適応インタビュー「長良川と気候変動」
●農林水産省 世界農業遺産 清流長良川の鮎
●世界農業遺産「清流長良川の鮎」

地球温暖化と長良川のアユ

岐阜大学や岐阜県水産研究所が、川の漁師さんと協力して長良川のアユの産卵時期を調べた結果、川の水温が高い年ほどアユが産卵のために川を降る時期が遅れており、この数十年で約1か月遅くなったことが分かっています。これは気温や水温の上昇、つまり温暖化の影響だと考えられています。
アユの産卵が遅れることで、孵化したアユが伊勢湾に降る時期も遅れ、海で育つ期間が短くなることによってアユの小型化が進んでいる可能が指摘されています。アユに限らず、変温動物である魚類は河川水温の変化の影響を直接的に受けており、アユ以外の魚類を含めた川の生態系に変化が生じている可能性があります。

詳しく調べるためのキーワード

●長良川アユ 温暖化 産卵遅れ
●河川水温上昇 生態系影響
●産卵降河 水温トリガー
●地球温暖化 野生動物 影響

出典・リンク

●岐阜大学 最新研究成果(落ちアユ産卵降河トリガー解明)
●岐阜大学 プレスリリース(調査概要PDF
●岐阜県水産研究所 気候変動影響研究ページ
●サイエンス記事「アユの産卵時期が1カ月後退」
●WWFジャパン「地球温暖化による野生生物への影響」

長良川のアユへの温暖化影響と有望な適応策(案)

この図は、長良川のアユや鵜飼を取り巻く温暖化の影響と、それに対応するための地域のさまざまな適応策の案をまとめたものです。温暖化による大雨や渇水・高水温、河川環境の変化によってアユや鵜飼、観光にも影響が及ぶため、水源確保や瀬淵の保全、漁業や観光の新しい工夫など、多面的な対策(図中の赤紫色の項目)が提案されています。これらの対策は、温暖化の影響について、関係者が現状認識を共有することによって出てきた提案であり、このうちのいくつかは既に取り組みが始まっています。

詳しく調べるためのキーワード

●長良川アユ 温暖化 適応策
●鵜飼 気候変動 影響
●河川環境 水源保全 対策
●アユ漁 ブランド化
●地域観光 温暖化対策

出典・リンク

●環境省 気候変動適応情報・インタビュー「長良川と気候変動
●岐阜大学「長良川流域の河川環境への温暖化影響と適応策」(PDF)
●岐阜県「漁業組合との連携による情報収集」(長良川鮎・適応策まとめ)